大橋ボクシングジム 応援プロジェクト
限定Webインタビュー

K-1の年間最優秀選手にも輝いた元キックボクサー。
武居由樹は、偉大な先輩たちの背中を追いながら、
ボクサーとしての自分のスタイルを追求する。
K-1の年間最優秀選手にも輝いた元キックボクサー。
武居由樹は、偉大な先輩たちの背中を追いながら、
ボクサーとしての自分のスタイルを追求する。

10歳からキックボクシングを始めた武居由樹選手。Krush.やK-1の舞台で活躍し、王座も獲得。「K-1 AWARDS 2017」では、年間MVPにあたる最優秀選手賞にも輝いた。

2020年12月にボクシング転向を表明すると、そこから勝利を重ね、2024年5月6日にはWBO世界バンタム級のベルトを奪取する。しかし、2025年9月14日に行われた3度目の防衛戦に敗れ、王座陥落。これがプロボクサーとして初の黒星となった。

自身の弱点を克服し、再び頂点を目指す武居選手の現在地に迫る。


武器のパンチ力が相手に弾き返されてしまった

まずは昨年9月の敗戦を振り返る武居選手。この試合では自分の武器であるパンチ力で勝負したが、相手に弾き返されてしまったと話す。

「ファンの方は僕のパンチ力に期待して、当たれば倒してくれるだろうと感じていたと思うんです。でも、この試合ではそれがうまくいかなかった。自分のスタイルを見つめ直すきっかけになりました。まだまだできないことも多いと思っているので、それを少しずつ埋めていきながら、これまでの武居由樹のスタイルを伸ばしていきたいと思います」

武居選手にとって、埋めるべき現状の課題は接近戦だ。

「この前の試合では、近い距離をつぶされてコーナーに押し込まれ、TKO負けを喫してしまいました。次の対戦相手もそこをついてくると思うので、今はその対策に取り組んでいる最中です。具体的には、そもそも近い距離にもっていかないようにすること。それでも近い距離になってしまったらどう動くのか、どういう風にさばくのか? この2点を重点的に練習しています。頭で考えて動くのではなく、体に覚え込ませて、状況に応じて自然と動けるようにしたいですね」

さらにジャブやステップなどの基本的なことをひとつひとつやり直すことで、レベルアップを目指したいと話す。

また、今回の敗戦によってボクシングの奥深さをあらためて実感した。

「キックボクシングでは、近いところに来たら膝蹴りだったり、そこに入れないために前蹴りやジャブがあったり。攻め方にしても守り方にしてもいろいろな選択肢がありました。それに対して、ボクシングは両手両腕しか使えません。そこの難しさをあらためて感じましたね。逆に言えば、そこがボクシングのおもしろいところだと思いますし、まだまだ成長できるという意味でも、自分は楽しさを感じています」


強いライバルの存在が闘志に火をつける

よきライバルの存在も武居選手の闘志に火をつけている。同じくキックボクシングからボクシングに転向してきた那須川天心選手だ。那須川選手とは同世代で、子どもの頃から対戦したり、同じ興行に出場するなど、身近な存在として鎬を削ってきた。

武居選手は、那須川選手のことを子どもの頃から天才だと感じていたという。

「彼は昔からムエタイルールでやろうが、空手ルールだろうが、本当に強くて。どんなルールにも適応する力があって、どんな時でも勝つことに徹して、ジュニアの大会でもベルトを何本も取っていましたね。ただ、お互いプロになってからは違う団体に所属していたので、試合で交わることがなくて。だからこそ、ボクシングの世界では自分が彼に初めての黒星をつけるくらいの気持ちでいたんです」


井上拓真対那須川天心戦を振り返って……

ご存じの通り、那須川選手は2025年11月24日に行われたWBC世界バンタム級王座決定戦で、井上拓真選手と対戦。フルラウンドの末に判定で敗れた。この試合を単純にひとりのボクシングファンとして観戦したと話す武居選手。ふたりの激闘に多くの刺激を受けたと振り返る。

「同じジムに所属する拓真さんの試合前の練習やアップの動きがすごく良かったんです。誰も手がつけられないぐらいの完成度の高さに衝撃を受けて、これはもう絶対に拓真さんが勝つなと勝手に思っていました。ところが試合が始まると、1、2ラウンドは天心選手がいいボクシングをして、むしろポイントを取った。会場全体がもしかしたら天心選手が勝つのかもしれないという空気すら漂いました。それがすごいし、彼のレベルが上がっていると感じました。自分よりも後にボクシングに転向してきたのに、もうあのレベルに達している。成長速度が本当に速いですよね」

また、会場全体の雰囲気も武居選手を刺激した。

「自分はジムのみんなと一緒に拓真さんの後ろについて入場したんですけど、天心選手が入場してきた時のファンの盛り上がり方や、ゴングが鳴るまでの会場の熱気を肌で感じた時に、この試合のリングに立っていない自分への悔しさがありました。自分ももっともっと頑張ろうと思いましたね」

実際、翌日から練習への熱の入り方が変わり、取り組み方へのギアが一段上がったと感じている武居選手。ひとつひとつの練習に対して、より集中して取り組むようになった。

那須川選手と対戦した同じジムの井上拓真選手や、兄の尚弥選手も武居選手に常に刺激を与える存在だ。

「尚弥さんや拓真さんの練習を見せていただきながら、良いところは盗んでいきたいと思っていますが、真似しようと思っても自分にはまだできないことばかりで、ふたりはすごい領域に達しているんだなと感じます。僕にとっては意味がわからない領域です。テンポもリズム感も違うし、自分が苦手とする接近戦もうまい。自分とは違うことはわかるんですが、違うことが多すぎて、具体的にどう違うのかがまだはっきりわかりません。やっぱりボクシングは奥が深いスポーツだなと感じます。ただ、尚弥さんたちとまったく同じスタイルを目指しているわけではないので、取り入れられるところは取り入れて、自分は自分の武器をしっかり磨いて、できない部分を少しずつ埋めていくことが、今後のやり方だと思いますね」


車で1時間以上かけて朝練に参加

武居選手は、古巣であり、格闘家としての原点でもあるキックボクシングジム「パワーオブドリーム」の朝練に週3回ほど参加している。時間は朝8時30分から10時30分まで。横浜の自宅から足立区にあるジムまで車で1時間以上かけて通っている。

「ボクシングに転向する時に週に2〜3回は絶対にパワーオブドリームに行く約束をしたこともあり、朝練に参加しています。自分はパワーオブドリームの古川誠一会長を絶対的に信頼していますし、会長に会えば気が引き締まるし、やっぱり集中してできるんです」

朝練では坂道ダッシュやタイヤ叩き、ラントレなどを行っている。しかも大橋ボクシングジムの仲間とともに。

「自分だけではなく、大橋ボクシングジムの今永(虎雅)や石井(武志)も参加しますし、桑原(拓)や田中(将吾)が来ることもあります。もちろんほかにもいろいろな選手と一緒に朝から汗を流しています」

朝練とはいわば自主練であり、ジムのある横浜から足立区は決して近い距離ではないのに、ジムの仲間も参加する。こうした選手ひとりひとりの熱量が、大橋ボクシングジムの強さの秘密なのかもしれない。


「よく虎雅と一緒に美味しいコーヒーを探しに行きます」

大橋ボクシングジムに所属する選手は、みんな仲が良いと話す武居選手。八重樫東トレーナーに教えてもらっている選手たちとは、いつも一緒に練習していることもあり、とりわけ仲が良い。

「特に仲がいいのは、今永虎雅、中垣龍汰朗、石井武志、田中将吾、あとパワードリームから一緒にボクシングに転向してくれた林兼士と星龍之介とかですかね。同い年の平岡アンディも仲はいいですね。桑原(拓)君とかも可愛がってくれるので、うちはみんな仲がいいんじゃないかと思います」

ボクシング以外にも、みんなで食事、特に焼肉を食べに行ったりすることも多いと話す。武居選手は、焼肉ではライスと一緒にタンからスタートしてハラミとロースを食べるのが定番だ。

「最近、新たに見つけた食べ方なんですが、ロースのあとにもう一回タンを食べる。最初にやってみた時に、これ、いいな、ありだなって思ったので、よくやっています」

また、今永選手とはコーヒー仲間で、ふたりでカフェに行くことも多い。

「一緒に美味しいコーヒーを探しに行きますね。自分は深煎りが好きですが、(今永)虎雅は浅煎りが好みなんです」

朝練のあとによく行くのが、足立区にある「スロージェットコーヒー」だ。

「カフェではコーヒーを飲みながら僕が虎雅の話を淡々と聞いている感じが多いです。ボクシングの話ではなく、最近おもしろかったこととかイラッとしたことなど、彼の日常的な話を聞きながら、リラックスした時間を過ごしています」

漫画が好きで、一番好きな作品は「アフロ田中シリーズ」。アフロヘアーの田中が主人公のギャグ漫画で、これを読みながら笑うことが気分転換にもなっている。

好きな音楽はヒップホップ。特に好きなアーティストは、GADORO、舐達麻、BAD HOPで、練習の行き帰りに愛車のアウディQ7の車内や、ランニング中に聴くことが多い。


ファンイベントでメンチカツをひとりひとりに直接販売

ファンからの応援の声も武居選手を支える原動力であることは間違いない。

「会場での応援はもちろんですが、SNSでメッセージをいただいたり、街中で声を掛けてもらったりするだけで、ボクシングをやっていてよかったなと思いますし、ファンのためにも頑張らなければと思います。本当にありがたいですね」

2025年の7月と11月には、ファンイベントとして鎌倉にある鎌倉精肉店で1日店長も務めた。

「このお店の名物のメンチカツを、僕がひとりひとりに直接販売するというイベントを行いました。その時に短い間ではありますが、ファンの方と直接お話しをさせていただいたんです。11月の時は試合に負けてしまったあとだったので、涙を浮かべながら、“またリングに立ってもらえる時を待ってます”と言っていただいたりして、すごく力になりましたし、都内や地元の足立区、ジムのある横浜ではなくて、日曜日に自分のために鎌倉までわざわざ足を運んでくれたことも嬉しかったですね」

当日店を訪れたファンの人たちの年齢層は幅広く、家族連れからひとりの方までさまざまだったと武居選手は話す。

「始まる2時間前から並んでくれた方がいたり、2回、3回と並んでくれた方もいました。イベントは1時間程度で終わったんですが、途切れることなく多くの方が来てくれて。こうしたファンのためにもまた頑張らないといけない。そんな気持ちにさせてもらいましたね」

9月14日の試合のあとは、身近な人たちからの優しさも感じた。

「身近な人であればあるほど、励ましの言葉とかは特になくて、普通に接してくれたんです。変に気を遣われないからこそ、逆に優しさを感じました」


「引退後の目標は世界チャンピオンの育成です」

今後の目標について、もう一度世界チャンピオンに返り咲くことだと話す武居選手。その中で那須川選手とも試合ができたらさらに嬉しいと。

では、引退後はどんな将来像を描いているのだろうか?

「引退後はおそらく育ててもらったキックボクシングジム“パワーオブドリーム”を継承すると思います。そうなったら、今度は自分が“パワーオブドリーム”から世界チャンピオンを輩出したいですね。自分にとって古川会長はお父さんのような存在ですが、会長の実の息子さんが今、小学校6年生で、僕の後を追って大橋ボクシングジムで練習をしているんです。拳蹴(けんしゅう)っていう名前なんですが、この拳蹴を世界チャンピオンにするのも僕の夢のひとつです。やはり自分は古川会長に世界チャンピオンにしてもらったと思っているので、それを次の世代につなげるために力の限り応援したいと思います」

敗戦したことで弱点が炙り出され、自分のボクシングスタイルを見つめ直した武居由樹選手。鉄が打たれることで強くなるように、この負けが武居選手をさらに強くし、再び世界チャンピオンとしてボクシング界に君臨する日は、そう遠くないだろう。

足立区の星がプロ初黒星の挫折を力に変え、世界王者に返り咲くまでの道のりは決して平坦なものではない。だからこそ我々の応援が、再起に向けて努力を重ねる武居選手の大きな力となるのだ。

Profile

武居 由樹(たけい・よしき)

  • 元WBO世界バンタム級王座
  • 1996年7月12日生まれ
  • 東京都足立区出身
  • 2021年3月11日デビュー
  • 階級:パンタム級
  • 得意/スタイル:サウスポー
  • 目標:世界チャンピオン
  • 12戦11勝(9KO)1敗

※2026年2月現在

Special Interview

武居 由樹選手インタビュー

~足立区の星がプロ初黒星という挫折を
力に変え、世界王者返り咲きへ~

坂井 優太選手インタビュー

~バンタム級黄金時代の 継承者。
伝説の幕開けとなる地域タイトル獲得へ ~

Project

大橋ボクシングジム
クラウドファンディングプロジェクト

本プロジェクトは、厳しい戦いに挑み続ける彼らの活動資金を募るクラウドファンディングプロジェクトです。

リターンには、選手や大橋ジムが所在する横浜市の魅力を感じていただける特別な特典をご用意。

また、支援いただく皆様の総人数が目標に達するごとに、限定コンテンツを公開します。

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